雨上がり決死隊の宮迫さんと、オリラジの中田さんのYoutubeの新番組。Win Win Wiiinが発信されました。発信されてから数日間で200万再生を越え、かなりの成功では? しかもこの「番組」はある意味で革命的な出来事ではないかと、私は思ったのでとりあえずまとめてみました。
革命的な番組って一体どこが?
とりあえず箇条書きで書いてみました。Youtubeの番組として比べるためには、とりあえずテレビ番組と比べるとわかりやすいかと思ったので。テレビの特徴とYoutubeの特徴について書いています。そのあとで、どこが革命的だったかを説明します。
1.番組である。
まず「番組」。この言葉はテレビでよく使われる言葉です。Youtubeではあまり使われないのでは?「テレビ番組」の特徴とは。
- レギュラーメンバーがいる。けれども時々メンバーが入れ替わる。(番組優先)
- 決まった曜日と時間に流される。今後の予定も決まっている。
- 基本コンセプトは変わらない(お笑い、音楽、ドラマなど)。
- スタジオで収録するときは、いつも同じセット。
- 大人数のスタッフで協力して作る。
テレビ番組ってこういう特徴があります。Youtubeでは番組と言うよりも「チャンネル」ということが多いですが特徴としては。
- チャンネル内でメンバーは変わらない。メンバーの入れ替えは基本的に起きない。(演者優先)
- 主たるメンバー以外はゲストとして出てくるけれど。大抵は「コラボ」という。
- いつ配信されるか、発信者の自由(定期的に発信する人もいれば、不定期の人もいる)
- エンタメというくくりはあるけど、面白ければ内容は演者の自由。
- 収録は最低だと1人。多くてもカメラマンと編集者、演者数人の少人数で作る。
- 場所はどこでもいい。
そしてYoutubeの特徴です。たぶん、これがあるからYoutubeが発展してきているのだろうなと思います。
- 低予算。
- 臨機応変な対応ができる。(思いついたらすぐに撮影して発信できる)
- 自分の好きな内容を発信できる。
- 芸能事務所やスポンサーへの忖度がいらない。
- 演者自身に直接収入が入り、額も大きい(場合がある)。
でもYoutubeの短所もあります。このあたりが現状では、結構大きなポイントではないでしょうか。
- プロではない人が動画を作成する。内容と映像の質が低いことがある。相対的にテレビより質が低い。
- 再生回数が即収入になる。逆に言えば、回数が低いと大した収入にならない。手間やお金をかけても外す場合がある。
- 評価が発信側に直接届くので、ときには厳しい意見が集中して炎上する。
Youtubeにはこういう特徴があるので、ある意味でめちゃくちゃ厳しい。結果がすぐに演者に反映してきます。その点、テレビには長所がありました。
- 質の高いものができる。
- レギュラーを持つと演者の収入が安定する。
でも同時に短所としては。
- スポンサーや芸能事務所の意向が番組内容に影響する。好きなものを発信できないことがある。
- 発信するまでに会議や編集などで時間がかかってしまう。
- 一回干されてしまうと、本人がテレビに出て自分の意向を話す機会はほとんど与えられない。出られなくなる。
このあたりが影響してきます。
ここ数年はネットでの動画配信サービスなどが充実してきた影響で、テレビの視聴者が減ってきています。テレビ業界としては広告収入が少なくなり、番組を作る予算が減ってきているという現状があります。そして予算が減ると、固定費である人件費やスタジオのセット代などに影響します。しかも「視聴者の評判」を気にして、「文句が出ないような内容」の番組が増えてきています。まさに悪循環!!
こういった行き詰まりつつあるテレビ業界から、出されてしまったのが今回、WinWinWiiinに出演した宮迫さんと手越さんです。二人は大手事務所に、結果的に反旗を翻した(と業界の人に取られたのでしょうが)ため、テレビに出演しなくなりました。(干されたという人もいる)
宮迫さんとお笑い界におけるある意味での反逆児、中田さんが手を取って、新しい番組を開始。そこに初回ゲストとして手越さんが登場しました。
2.テレビではあり得ないことの連続。
1回目のゲストであるてさんは、とても面白かったです。私は見ていて、めちゃくちゃこころを打たれました。というのも、ゲストの手越さんはテレビ業界のタブーを犯してでも、それ以上に自分に正直な思いを吐露したからです。タブーとは何かというと。
- 記者会見の裏側に、演者としての計算があったことを暴露する。
- 社会的制裁を受けた人、犯罪を犯してしまった芸能人を実名であげて、支持する。
- 芸能事務所および業界全体が陥っている問題点を指摘す。
手越さんは結局「ファンのために何ができるのか」と自分を応援してくれる人に対して、とにかく誠実に思いを伝えようとした。それだけなんだと。でもそれだけなのだけれども、それができなくなっているのが現在のテレビ業界です。
当然、手越さんさんのようにやる気とビジョンのある人は、独立しようとするだろうなと納得させられます。
革命的なビジネスモデル!
今回の番組は手越さんがゲストだったというのも重要なのですが。Youtubeの番組として、テレビと比較してモノスゴク革命的なビジネスモデルができています。そして、このあたりはテレビ業界の穴をついています。
- スポンサー企業と演者が直接、交渉した結果として予算が決まる。(直(チョク)の営業!!)
- たぶん番組を作る下請けの人たちとも、直接の交渉がされている。
- 広告代理店やテレビ局などをほとんど介していない可能性が高い。
番組の予算編成として、具体的にはわからないのですが。テレビ局における下請けの問題があるといわれています。低予算のしわ寄せが、番組を作る下請けにやってきている。低い給料でほとんど休みなく働いて、番組制作を下請けの人たちが支えるいうテレビ業界の構造があります。
今回のWinWinWiiin番組が作られることで。長所として。
- 出演者が言いたいことを言える。表現したいことを表現できる。
- 予算と質を自分たちで決められる。下請け側の人たちも、がんばろうという気持ちになる。
- とにかく、スタッフも演者も「やりがい」を感じて熱気が高まる。
この熱気です!! 今回のWinWinWiiinを見て、一番すごかったのがこの熱気! 出演者の3人もめちゃくちゃ熱く語っている。セットもカメラマンも、また映像からも、いろんなところから、スタッフの本気度が伝わってきます。こういうのって、画面を通してバシバシと伝わってくるんですよね。
短所を強いてあげるとすれば。
- 嫉妬や批判が集まるのでは?(旧態依然の方法を大事にしている人たちから特に)
でもまじめにテレビ番組を作っている人ほど、この番組を見て。
- 「くやしくてたまらない!」と思うか。
- 「この方法があったか!」と鞍替えするか。
そんな踏み絵になるのではと考えていました。
大きな結果を生んだ初回の発信。
発信から1週間たたないうちに再生回数が200万を超えています。かなりの成功だといえるでしょう。この番組が1回目だけ終わるか、それとも長く続けられるのか正直、現状では不透明です。番組のセットをみると、1回で終わらせるのは「ホント、もったいない!」 できれば、引き続き色んなゲストを呼んで番組を盛り上げて頂きたいです。
まとめとしてですが今回の番組が始まったのは、結局のところ、テレビも好きだけれども。
それ以上に。
「いい番組を作りたい。視聴者やファンのために面白い番組を作りたい!」
その情熱があふれるスタッフや出演者の思いが今回の革命を起こしたのだと思います。