「人のこころを読む」ことについて種明かし。

カウンセリング

こんにちは、D.Cozieです。
今回はカウンセラーに対する質問「人のこころを読むことはできますか」に答えたいと思います。

こころを読むって一体どういうこと?

「こころは読めません」

いきなりですが、これが私にとって一番しっくりくる答えです。

「こころは読めません」

ホント、読めません。嘘偽りなく。
でも、この答えだと不親切だと思うので説明します。

「こころを読めますか」という質問の意味を確認します。
「こころを読む」ということからイメージするのは。

  • 私が今、何を考えているのかわかりますか。
  • 私が隠している秘密や具体的な過去を読めますか。

大抵は、このあたりのことを聞かれていると思います。

「相手が何を考えているか」

これを読み解くのはものすごく難しい。
こころに関する仕事をしていても、なかなか読み取れない。
他人が「考えている内容をそのまま読み解く」のは無理ではないかと思います。

読めない変わりの代替手段はあります。

「こころの状態を推測する」

これはよく使います。

「私、今日ものすごく楽しいことがあって」と話している人。
楽しい話をしているはずなのに、肩に力が入っていたり、言葉をためらったりと、ちょっと緊張しているのがみえる。楽しい気分だけではないのが出ている。
「なんか気になることでもあったの?」と私が聞くと。
「え?なんでわかったの?」
楽しいことのあとに、とても怖いことがあったと話し始める。

そんなときに「なんで私のこころが読まれたの」と思われる場合があります。
それは単に、言葉には出ていない、別の気持ちの動きがみえたので確認しただけです。
「怖いことがあった」と知っていたわけではありません。

これは「隠している秘密や過去を読めるか」にもあてはまります。

何が隠れているかはわかりません。本人しか知らないことですから。

でも過去の話をしているときに、急にいつもと違う様子が表情やしぐさに現れた。
そのとき「過去に何かあったの?」と確認するかもしれません。
すると本人が「実は昔ね」と話し始める場合もあります。

これも私が過去を読んだわけではないのです。
今の話している状態を確認しただけです。

人のこころを読めますか?

人のこころを読めますか?という質問に対しては「読めません」と答えます。
こころの内容を読めないのですが、「こころに何か起こっているかもしれない」というサインは読みます。

サインとはちょっとした表情の変化やしぐさ、雰囲気などです。

サインが出ているとき、場合によっては本人に聞きます。
すると「こころに何かが起こっていたのだな」と確認できます。

サインを読み取ってあたかも「私はあなたのこころを読んでいます!」
みたいなセリフを言う人もいますが、カウンセラーは余りそういうことはしません。

それよりも他の人には言えずにいる正直な思いがあるのを、サインから読み取る。
そして問いかけてみて、話し合う。それによって、もつれている思いをほぐしていく。

それがカウンセラーにとっては大切なので。
「こころを読むこと」はとっても難しいことです。