こんにちは、D.Cozieです。
今日は「大丈夫っていうけれども、本当に大丈夫?」という話をします。
悩んでいるときに「大丈夫?」と聞かれたら。
目の前に苦しんでいる人がいたとき「大丈夫?」と声をかけることがあります。
怪我をしていない?
自分でなんとかできそう?
今すぐ助けが必要?
それを確認したくて「大丈夫?」という質問をします。
たとえば、子どもが走っていて転んだら「大丈夫?」と声をかける。
この「大丈夫」という質問。
カウンセリングをするときには、やっかいな質問です。
なぜなら「大丈夫?」と聞いたら、大抵の場合「大丈夫」と返事がくる。
でも「大丈夫にはみえない」から「大丈夫?」と聞いているのですが。
答えが決まっている質問は「質問のようで質問でない」
それが「大丈夫」という質問です。
怪我をしているときには「大丈夫?」と聴かれてチョット安心するけど。
本当に深く悩んでいるときに「大丈夫?」と聞かれると、
とりあえず「大丈夫」と答えるけど。
ホントは大丈夫じゃないことがほとんどです。
大丈夫って思わず答えるとき。
本当にしんどい時って、自分の思いを相手に伝えるのをためらいます。
- 相手に迷惑をかけてしまわない。
- 気を遣われるのもあまり好きじゃない。
- とりあえずほっといてほしい。
- 私の気持ちをわかってもらえないかもしれない。
いろんな思いが出て来るけれども。
とりあえず「大丈夫」と答えます。
でも本当に悩みが解決した後って「大丈夫かどうか」さえ気にならなくなる。
「大丈夫」って思わずいうときには、大丈夫ではない部分が残っている。
そういうことがとても多いです。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫」(ほんとは大丈夫じゃないけど)
と答えるパターン。
カウンセリング中に「大丈夫ですか?」と質問することは余りありません。
実際には「大丈夫?」という言葉を使わないように訓練を受けます。
カウンセリングでは「その人の悩みはどのような悩みなのか」
できる限り、本人の気持ちになって理解しようとします。
「悩んでいる」様子のときには「大丈夫?」と聞くかわりに、
「どうされました?」と少し具体的に聴く。
そこで相手が「大丈夫です」というと、
「とても悲しそうな表情をなさっているので何かあったのかと」
と聞くかもしれません。
それでも相手が「大丈夫」というのであれば、それ以上聞かないと思います。
でもそのときに「まだ言葉にできない思いがいっぱいあって、大丈夫といっている」
と記憶にとどめておきます。
本当にその人が思いを話したくなるときがくれば聴きますが。
無理に聞き出そうとはしません。
カウンセリングでは実は何を聴くかよりも、何を聴かないかのほうが大切だと思います。
言葉の裏にある気持ちを理解してくれる人。
「大丈夫?」と聞かれたときに、思わず「大丈夫」と答えることは多いです。
でも「大丈夫じゃないってバレてるかもな」というのも大切です。
というのも「言葉にしていない本当の気持ち」が相手に伝わっている。
たぶん自分の言葉の裏にある気持ちを分かってくれる人は、
自分の気持ちを理解しようとしてくれている人。
言葉にならない思いを理解してくれる人が周りにいることが、
「大丈夫じゃない」悩みを「大丈夫」に変えることに繋がるかもしれません。