カウンセラーは他人を嫌いにならない。

カウンセリング

こんにちは、D.Cozieです。

今日は「カウンセラーは相談者を嫌うことがあるのか?」について話したいと思います。

嫌われるのを恐れている人たち。

カウンセリングに相談に来る人たち。
そのなかでも結構な数の人が「他人に嫌われる」のを恐れています。

人にどう評価されているか。
悪口を言われていないか。
自分がいつのまにか嫌われているんじゃないか。

嫌われるのが怖くてたまらないので、人に気を遣う。
気を遣い過ぎて、疲れてしまって、こころの病の症状が出る。

そのようなパターンを繰り返している人が多いです。

でも「嫌われているかどうかを気にしている」という気持ち。
だれにも言わずに、隠している人がほとんどです。

嫌われているかどうかを確認するのは、とても怖い。

他人に聞くことができるでしょうか。

「あなたは私を嫌いですか?」

まず、聞くことはないんじゃないかと。
よほどの事情がない限り聞くことはないかと。
(当然、よほどの事情があって聞く人もいますが)

でもほとんどの場合は。

「私はあの人に嫌われているかもしれないけど。確かめられない」
「嫌われていたらどうしよう」

そんな気持ちでいっぱいだと思います。

「嫌わているかどうか心配」な人が、カウンセリングにはよく来ます。

当然、

「カウンセラーに嫌われたらどうしよう」

と思っています。

好き嫌いで判断していないカウンセラー。

実はカウンセラーという立場からいうと。

相談に来た人を「好きか嫌いか」によって「判断していません!」

むしろ好きか嫌いかは「どうでもよいかもしれない」

というのもカウンセリングの基本的な原則として。

  • 相談に来た人を、とにかく肯定的な観点からみる。
  • いわゆる一般的な価値判断から離れて、相談者をみる。

この2大原則があります。

つまり「好きか嫌いか」と感じる以前に「相手を肯定的にみる」

そして「好きか嫌いか」という価値判断はとりあえず脇に置く。

カウンセリングはここから始まるのです。

相手を嫌いにならずに、肯定的にみるとは。

一般的な価値判断を脇に置いて、肯定的にみる。

これはどういうことでしょうか。

たとえば、このような相談者が来たとします。

カウンセリングルームに来たけれども。ほとんど話そうとしない。
表情が硬くて、むしろ怒っているかのようにも見える。
カウンセラーが「今日はどのような相談で来られましたか?」
と聞くと、とっても嫌そうな顔をして。
「別に」
ひと言だけいって、黙り込む。

相談者がこのような態度を取ったとしても。
カウンセラーは別に相手を嫌いにはならない。

むしろ。
「初対面の相手にこんな態度になるのは、余程の何かあるのだろう」
と、ものすごく関心が出てきます。

それで「何か理由があるのだろうな」と思って話を聞いていくと、
相手も少しずつ警戒心を緩めて、自分の話をし始めて下さります。

カウンセラーが相手を嫌いになるとき。

カウンセラーが相手を嫌いになることは少ない。
圧倒的に、相手に嫌われることの方が多いかもしれない。

でも、まれに相談者を「どうしても嫌いでたまらない!」気持ちになる場合もあります。

そのときも対応は同じです。
「どうして相手のことが嫌いになっているのか」
カウンセラー自身の気持ちをしっかりと振り返っていきます。

すると「ああ、そういうことで嫌いになっていたのね」
それが分かって来ると、嫌いという気持ちは消えていきます。

なので基本的には「そもそも構造的にカウンセラーが相手を嫌い」になって、
しかも「嫌いだから、もう会わない」ことは、プロカウンセラーとしては起こりにくい。

なので。どうしてもカウンセラーに嫌われているかどうか気になる人は。

「私のことを嫌っていませんか? だってそう思うんです」
とカウンセラーに尋ねてみてください。