「誰かを助けたくなる」こころにマイナス面?

こころの深層

こんにちは、D.Cozieです。

今日は「誰かを助けたくなる欲求について」話したいと思います。

「誰か困っている人をみると、助けたくなる」
このような、こころの動きが出てくる人がいます。

ニュースだけじゃなくて、身近に困っている人がいると助けたくなる、
場合があります。
これはとても大事なこころの動きで、助けたいというこころがでることで、
実際に人を助けることにつながる。
あたりまえですが、ものすごくプラスの面があります。

でも、こころというのは、プラスの面だけでなく、マイナスの面が常にあります。
「人を助けたい」というこころのマイナス面もあります。

どういうことでしょうか。

他人を助けるはまず自分というけれど。

たとえば。このような話を聞いたことがあるかもしれません。

「困っている人を助けるときに、まずは自分の無事を確認してから」
そんな原則があります。

溺れている人を助けようとするときには、まず自分が溺れないための安全を確保してから、
救助にむかう。泳げないのに助けに行くと、一緒に溺れてしまったりする。

人を助けたいと思うときには「まず自分が大丈夫か。相手を助けられるか」
この確認が大切です。

人を助けるこころのマイナス面、このあたりと関係しています。
どういうことがあるかというと。

・相手は別に助けてほしいと思っていないのに助けようとする。
・本人自身が困っているのに、それはさておき他人を助けようとする。

このあたりがあると、人を助けるときのマイナス面が出やすいです。

人助けに関するマイナス面。こころのなかで起こる。

「相手は別に助けてほしいと思っていないのに助けようとする」
これはどういうことかというと。

相手は自分で自分の困り事を解決しようとしている。そして解決する能力もある。
でも「助けたい欲求」が強い人がそれをみて。
「そんなの自分で何とかしないで。私が全部助けてあげるから」
と助けます。

そして助けはいらないと拒否すると。
「私はいいことをしているのに、なぜ拒否するの?」
「助けてあげてるのに。いいことをしているのだから感謝すべきだ」
と相手に承認を求めます。

さらに「私はいいことをしているのだから、みんなに賞賛されてあたりまえ」
と思い込むのです。

本人もいいことをしていると思い込んでいる。
まわりの人も「あの人はいいことをしているので」。
なかなかマイナス面を批判できない。

こういう正義感にあふれる、一見すると「良い人」を良くみかけます。
しかし助けてもらった人には「善意の押し売りでしんどい」ことがあります。

もう一つは。
「本人が困っているのに、他人を助けようとする」

こころの世界からみると「自分の問題に取り組むよりも、他人の問題に取り組む方が楽」
という場合があります。

「ホントは自分の内面にものすごい孤独を抱えている」
「自己評価がものすごく低くて、本当は自分がダメだと思っている」

けれどもそのかわりに。
困っているようにみえたら、その人に次々と声をかけていく。
困っている人を「助ける」ことで「自分は役に立つ人間だ」と自己評価をあげようとする。

このあたりのことは、「人助け」の行動に大小さまざま出てきます。

ちなみにカウンセラーの人は「助けたい欲求のマイナス面」はどうなのかというと。
カウンセラーを目指す人のほとんどは、自分にこころの悩みを抱えているといわれます。

でも自分のこころの悩みをある程度解決できていないと、他人をカウンセリングすることができません。
この「ある程度」というのがナカナカ大切で。

すべては解決できていないけど、その悩みを自覚していて、悩みに振り回されないぐらいになっている。
そうなると、カウンセラーという仕事を続けられます。

解決することができなかった人は、カウンセラーという仕事を続けられません。
でもある程度、解決して満足したら、カウンセラーという仕事を辞めてしまいます。

プラスとマイナスのバランスが人を助ける。

まとめると。
プラスのことばっかりにみえる行動であっても、こころの側面からみるとマイナス面があったりする。
プラスとマイナス。どちらのこころの動きもわかっておくことが、助ける人、助けられる人お互いの利益になる。

なにがプラスかマイナスかわからない。
そのような考え方ができると、こころに余裕が生まれます。